下駄骨折の思い出
3年ほど前に下駄骨折と言われる足部の骨折のため、ワイヤー固定手術して、松葉杖生活をしていました。
骨折して、治癒する過程には、骨膜という部分から細胞が流出し、「類軟骨」や「類骨」という組織が形成され、次にカルシウムが沈着して「仮骨」を経て、成熟した骨が出来ますが、その間、約3ヶ月間。…長いです。
文字通り、タダでは起きたくないタイプで、フルコースで体験学習しました。
例えば
- シーネカバーをゲットしました→手術した後はギブスではなくシーネで固定しますが、そのままで室内や室外を歩くわけにいかないので、シーネカバーを使いました。
- 松葉杖は手根部分で支えます→脇で支えるのはNGです。”手根”というのは、母指球・小指丘。手相で言うところの月丘と金星丘です。但し、指の付け根や手首をマッサージして血行を促さないと、バネ指になります。
- 松葉杖は雨の日は滑って、二次骨折を招く可能性があります→着地面のゴムは市販の強力滑り止めゴムに変えることも出来ますが、数ヶ月のことなので(松葉杖も病院に返却してしまうので)、百円均一で手に入る滑り止めシート等を輪ゴムで止めて、布ガムテープでぐるぐる巻きにしました。でも、個人的に一番安定したのは、ゴム軍手の黄色いイボイボ部分でした。体重が重い方は、1週間前後で取り替えないと滑り止め効果は落ちてゆきます。
- 布の軽くて大きめのショルダーバックが便利です→両手は松葉杖で使えないので、ショルダーバックを斜交いにかけて、運びたい物は全てバッグに入れて移動しました。
- 室内の移動には、スツールが便利です→松葉杖は結構リスクがあるので、室内は出来るだけスツールに骨折した足の膝を乗せて移動していました。
- 早めの行動が大切です→行動は全て5倍程の時間が掛かるので、早め早めに(特にトイレ)行動に移す必要があります。人生の中で少しテンポを落とす時間、と思って1つのことに、ゆっくり頭を使って向き合いました。
- 浮腫むので座る時も、足を高く、投げだした形を保持します→折りたたみ椅子のついたリュックが市販されていて、あれば靴の脱着や椅子に座った時に骨折した足を乗せておくのに便利なのですが、背中から転ける可能性を考えると二次骨折のリスクはあります。
理学療法士さんに、本当に丁寧に歩行や姿勢の調整や指導をして頂きました。解剖や生理、運動療法の話をしていて、リハビリが終わったら師との別れぐらい名残惜しい思いでした(苦笑)。
徐々に体重を荷重して仮骨から骨への形成を促します。体重計に乗って例えば「今週は20%体重なのでXkg掛けて歩く様にしてください。この感覚を覚えてください」と指導を受けます。こういう身体感覚は初めての体験で、本当に貴重でした。歩き出した赤ちゃんに戻った気分でした。
手術から6ヶ月ぐらいで、ワイヤー抜去する手術を受けました。半年間で最も辛かったのは、全身麻酔から覚醒してからの一晩だったのですが、またやって来るのかと思うと、なかなか「これで解放だ〜!」と手放しで喜べない思いでした。でも抜去の手術も回復も、呆気ないくらいスムーズでした。
幸い大きな骨折ではなかったですが、この経験が出来たのは、今では大切な財産です。
理学療法士さんとのリハビリの時間で、骨折も生活習慣病であることを実感。
姿勢、歩き方の大切さについて身を以て感じ、学びました。
この経験が、一次予防やオフィスマッサージなどのサポートに、より良く活かすことができる様に、思い出しながら、より多角的な視点で研鑽を積んでいきたいと思っています。