慢性疼痛の認知行動療法

数ヶ月前に、慢性疼痛の認知行動療法のウェビナーに参加しました。
痛みそのものを治す、というのではなく、痛みの捉え方を変えて不適応的な行動、感情、身体反応を改善することを目的にする心理的なアプローチです。

日本人の慢性疼痛保持者は2200万人、経済損失は約2兆円にも上ると推定され、社会的に深刻な症状であるといえます。
国民生活基礎調査(2019年度)の結果においても、長年、腰痛、肩こりなどの痛みが上位を占めていて、法人の健康経営のポイントになっていると考えられます。
特に腰痛は、捻りや不良姿勢などの腰自体の不具合に加えて、脳機能の不具合を招く仕事の不満や人間関係のストレスなどの心理社会的なストレスが危険因子と考えられています。
参考:
日本整形外科学会他. 腰痛診療ガイドライン2019年(改訂第2版). 南江堂
松平浩他. 日本人勤労者を対象とした腰痛疫学研究. JJOMT Vol. 63(6): 2015. 329-336

慢性疼痛があると、何にもしたくない、日常的な動作に支障がある、孤独になる、仕事への影響などの影響が生じます。
認知行動療法は、痛みを増悪させる因子や、痛みそのものを取り除くことは難しい場合、痛みを誘発する思考や認知、行動を変えることで、感情的な苦痛等を減少させる療法だそうです。
このような認知行動療法は公認心理士さんや臨床心理士さん等が、指導されているようです。
参考:慢性の痛み政策ホームページ(厚生労働行政推進調査事業費補助金)

こういった認知行動療法のセッションの冒頭には、呼吸法や筋弛緩等で身体を緩め気持ちを安定させる”リラクゼーション”の時間が設けられているそうです。リラクゼーションに集中することで、痛みから意識が向けられるようになると、自身の感情や痛みのコントロールも多少は可能になるのかもしれません。
ウェビナーでは”スージング・リズム・ブリージング”という呼吸法も紹介されていました。
多角的な痛みへのアプローチを学ぶ良い機会になりました。

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